がんばる先生の指導ノート
ノーバスでがんばる先生が
生徒への想いや、勉強のこと、出来事など
教室の日常をお届けします。
【高校生向け】受験物理について
こんにちは。
今日は受験物理の勉強についてお話したいと思います。
「物理って聞くと難しそう」
「来年、物理を選択したけれど、どんな科目なのか不安」
「今物理を選択しているけれど、点数が伸びなくて困っている」
という方は、是非読んで見てください。
○物理が向いている人、向いていない人
物理は他の理科科目に比べて暗記する量が極めて少ないのが特徴です。生物を10にするならば、化学が6、物理は2といった具合です。物理で覚えなければいけないことは50個程度、この中で重要公式だけに絞ってしまうと30個程度です。ただし、覚えることが少ないということは、覚えるだけで得点できる問題はほとんど出題ありません。頭を使って考えて公式を運用しなければ、得点することができないのです。暗記は嫌いだけれども、頭を使うのは好きって方にはぴったりの科目ですし、頭を使うのは嫌いだという方には向いていない科目です。
物理と言うのは、偏差値グラフで見たときに2つの山ができる傾向があります。つまり「全然理解していない人」と「完全に理解した人」と分かれやすいということです。この原因は物理の「初学者に対しての敷居の高さ」にあります。
生物や化学・地学は「暗記」や「ルールを覚えて当てはめる」と中学までと共通する勉強の方法でも何とかなってしまいます。しかし物理はまず身のまわりの現象を数式で表すと、物理を習いたての人や習う前にはピンとこないようなことをやります。この概念理解の部分がとっつき難い。慣れるまでに時間がかかるということですね。
ただ一回慣れてしまえば、覚えることは少ないのでどんどん理解が進みます。勉強を続けていれば徐々に点数が伸びるのではなく、ある程度理解が進むと爆発的に点数が上がるといった印象があります。しばらく辛抱が必要ということです。これが偏差値を2つに分けている理由であります。
これは私も経験したことです。高校の授業を受けて闇雲に勉強をしていたときには点数がさっぱりでしたが、予備校で講師の先生の話を1時間聞くだけで視界が広がってきて、最終的には入試で1番得点できる科目になりました。
○身のまわりの現象を数式で表すこととはどういうことか?
このことがどれだけ理解できているかが、受験物理で結果を残せるかどうかの鍵になります。
ポイントは次の通りです。
①そもそもの定義をしっかりおさえる
②式を文字式の羅列ではなく、式が表している意味も併せて覚える
③ ①②を意識して問題演習を繰り返す。
「とにかく公式に数値を当てはめていけばいいんでしょ?」というスタンスでは、物理は絶対に得意にはなりません。例えば、物理で最も重要な公式である運動方程式ma=F も、これだけ覚えたって1点もとれません。
「質量mの物体に作用している力Fが原因で、加速度aが生じた」
「質量mの物体に加速度aが生じた原因は、力F」
と目の前で生じる現象の因果関係を公式に当てはめていくという姿勢が大事になります。ただ闇雲に問題を解いていても、爆発的に点数は伸びませんし、それを繰り返しても点数が上がる保証は全くありません。大事なのは根本的な理解であり、物理に臨む姿勢なのです