がんばる先生の指導ノート
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【共通テスト】総評その2 数学1A
みなさん、こんにちは。個別指導塾ノーバスです。
前回の【共通テスト】総評その1
の続きです。
今回は数学1Aについて検証してみました。
よろしければ参考にされてください。
数学ⅠA
必答2問、選択3問中2問の形式。大問の単元の構成は例年とほぼ変わらず。
ページ数は増えたが、設問が会話文形式を多用していたため、問題量自体が大きく増加した訳ではない。試験時間が60分から70分になった。
大問1
和と式は基礎計算がしっかりできれば問題ない基本問題レベル。最後の問題はしっかり誘導に乗って、整数問題への対応力を養ってきたかが問われる。煩雑ではないが、単調な足し算引き算が連続するので、計算ミスに注意。
図形と測量は、最初の2問以外は計算なし(あったとしても頭の中で簡単に検討できる)で解ける選択問題中心の構成。図形への理解が深ければ5分とかからず処理できるが、逆に一つひとつを丁寧に計算して解答していると、序盤から大幅な時間ロスを招く結果となる。解答時間が足りなかったという人の多くが、本人も気づかぬままに早くもふるいにかけられていた。
大問2
二次関数は文章問題形式。問題の難易度としては優しい部類だが、聞きなれない単語と、普段扱わない少数を伴う二次関数で調子が狂うかもしれない。数学が得意な人なら特に問題ないが、数学苦手を自認するような文系の人はてこずると予想。小中学生が苦手な「速さの文章」のラスボス的な問題。
データの分析は例年通りかやや易化。テーマは各産業種別の就業者数の割合の推移と、その男女割合について。政治経済に出そうなデータを数学的に分析する問題。とはいっても、問題を解くにあたってそれらの事前知識は全く必要なく、ただ淡々とデータを読み解いていけばよい。今後、このように社会の動きに合わせて実用的なデータを幅広く扱う可能性が高いと予想される。
大問3
確率はそのほとんどが条件付確率に関する問題。条件付確率は、教科書でも後半の一部で解説されているにすぎないので、特に文系の生徒でその公式を覚えていないものは8割方の問題が事実上解答不可能となる。加えて、掛け算・足し算・通分などの基礎計算が多く、解法が分かっていたとしても、全問正解するためには繁雑な計算を簡略化するテクニックと高い集中力が不可欠となる。
大問4
整数の性質は一次不定方程式からの出題。しっかり対策していれば特に躓くところもない教科書の練習問題レベルの問題で、題材も非常にオーソドックスなもの。最後の問題は計算で出すよりも、前問の答えを参考に、しらみつぶしに調べた方が早く答えが出たりするので、その判断の速さが解答時間に大きく影響する。
大問5
典型的な平面図形の問題。時間と知識があれば複数の導出方法から検算もできるが、一つの三角形に3つの円が絡む複雑な図になるので、ある程度の作図力ないしイメージ力がなければ、問題の途中で訳が分からなくなる可能性がある。例年であれば直接解法に結びつくような文言が問題文中に出てくることはめったにないのだが、この問題では「方べきの定理により~」と、誘導どころか引率してくれるので、これに乗っかって解き進めればよい。たとえこの文言がなくとも、本問の前に問われた2つの値に注目すれば、方べきの定理を利用することを思いつくのは全く難しくない。
よくわからないヒントはあったものの、難易度自体は例年並みといったところ。
また時間をおいて他の科目についても書きたいと思います。