稲毛校 からのお知らせ:
「2023年度 千葉県公立高校入試 英語講評」
こんにちは。
「個別指導塾ノーバス」稲毛校塾講師の木島です。
学習指導要領が変更されたことで、入試問題の変化もめまぐるしい近年です。どのような問題が出題されるのか塾講師として好奇心が湧きます。職業病です。以下に、昨日行われた英語の入試問題についての振り返りを記します。ネットで調べて頂くと、実際の入試問題を見ることができます。少々いとまがある方は是非、お手元にご用意してお読み下さい。
①大問4(リスニング・単語の穴埋め)
No.2の見た目が少々変更されました。以前まではNo.1と同じ形式でした。「音声が流れてくる前に英文に目を通しておく」、「穴に入る単語の品詞を予想しておく」など、事前にやるべきことは変わりません。今年の実際の問題を見てみましょう。
"doesn't (①□□□□□) with Mark." の空欄にはどのような単語が入るか予想できますか?多くの人が「動詞」が入ると思ったかもしれません。
正解です!
しかしながら、もう少し深く考えることができます。皆さん、動詞の後ろの世界を気にしたことがありますか?
"I eat sushi."
"I study English."
"eat"や"study"の直後には「何を食べるのか」、「何を勉強するのか」を指す名詞(人やモノ)を置かなくてはいけません。
一方で、
"I go to Tokyo."
"I live in Chiba."
"go"や"live"の直後には"to"や"in"などの、いわゆる「前置詞」を置かなければいけません。
このように、それぞれの動詞には、直後に何を置くべきなのかルールがあるのです。
話を入試問題に戻しましょう。
"doesn't (①□□□□□) with Mark."
どうでしょうか。括弧の直後には"with"がいます。つまり、"eat"、"study"のような動詞が正解になることは(基本的に)ありません!ここまで考えられればあなたには十分に問題を解く力があります(何様)。
さて、音声の原稿を見てみると実は昨年と比較して大きく変わっていることがあることに気づきました。昨年は流れてくる音声の中に答えとなる単語が含まれていました。一方、今年は4問全てが答えが音声には含まれていない単語だったのです!つまり、流れてきた英文を踏まえ、単語の類推をしなければいけませんでした。難しい!
②大問5の語形変化
大問5の語形変化では、(1)で近年頻出の「派生語」が登場しました。数年前までは、問題に"(speak)"とあった場合、答えの選択肢は、"speaks"、"spoke"、"spoken"、"speaking"の4択でした。ところが最近は新たに派生語である"speaker"が答えの候補に入るようになっています。今年の問題では、"(performe)"を"(performance)"にしなければいけませんでした。
また、(2)では"will"の変形を求められましたが、千葉県入試問題で助動詞の語形変化が問われたのは初めてだったはずです。とはいえ、答えの選択肢は"would"しかないので、こちらは易しかったように思います。
ちなみに、新学習指導要領になったことで新たに加わった単元は、高確率で出題されます。英語では「仮定法」や「現在完了進行形」がそれにあたります。加えて去年の千葉県公立高校入試では出題されなかったので、今年出題される可能性大でした。そして、実際に出ました仮定法。
③大問6(英作文)
今回最も分かりやすい変化は大問6の英作文です。英作文は2021年度に、4コマ形式となり、語数制限が増えるという大きな変化があったばかりでした。
しかし、今年度は写真の通り作文する場所が2箇所に増え、それぞれ10語程度という指定でした。
8~10語の英文を1文ずつ書けば良いので、個人的にはこれも易しくなったと思います。特に(1)は、書くべき内容が状況によって限定され過ぎていないので書きやすいです。「ご飯を買いにいく」、「ご飯を食べに行く」、「ご飯を作るために材料を買いに行く」、選択肢が多く、書けるものを選べるのはありがたいです。
④その他感想
長文を始め、求められる語彙力が高かったです。公立高校入試は教科書に載っている単語を勉強すれば対応できるようになっていますが、"thick"、"include"、"scary"など、出てくる頻度の少ない単語、馴染みのない単語が所々に見られました。
問題を解くにあたって読まなければいけない英文に、中学生が見落としていそうな文法がありました。"not always (空欄)"です。語句補充問題になっており、空欄には"bad"が入るのですが、中学生の皆はこれ訳せますか?!「いつも悪くない」と訳した人、気持ちはとても分かります。しかし、残念ながら正解は「いつも悪いわけではない」となります。これは「部分否定」と呼ばれるもので、高校生でも分かっていない人がいるところ。空欄に入る選択肢は実質 "good"か"bad"の2択だったので勘に頼っても50%当たりますし、他にもヒントはありましたが、正直なところ「やられた!」と思わされたところでした。
[2023-02-22]