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バショウカジキ

こんにちは。講師の藤原です。 突然ですが、みなさんは時速100kmで泳ぐ魚がいることをご存知ですか? 世界最速の魚は「バショウカジキ」というカジキの一種で、時速110kmで泳ぐことがわかっています。まさに海のスプリンターといった具合です。ちなみにオリンピックの水泳選手でも時速8km程度らしいです。私はこの話を聞いてとても驚きました。地上を走る中で最速のチーターでも時速115kmくらいだということを考えると、水中でこの速さを出せるとは驚異的だと思いませんか?水中でも交通事故みたいなことが起きてしまうのではないかと思ってしまうくらいの勢いですね。 実はこの話は最近私が大学で学んでいる「流体力学」という学問分野の講義で聞いたものです。実際この話がどういう技術に利用されるかという有名な例を挙げると、少し前に北京オリンピックで話題になった競泳用水着です。その中でもスピード社製の「レーザーレーサー」はとても有名で一度は聞いたことがあると思います。この「レーザーレーサー」はカジキではなくサメ肌からヒントを得て水着の表面加工に工夫をしていますが、カジキの肌を参考にした製品もあるそうです。(※残念ながらこのような工夫の施された高速水着と呼ばれるものは現在協会のルールで禁止されています。)直感的には何も凹凸が無くつるつるとした表面のほうが空気や水の抵抗が小さくなると思われがちです(一昔前はそう考えられていた)が、実際には違うのです。ゴルフボールもよく飛距離が出るように凹んだディンプル表面になっていますね。 このような水の抵抗が低減される仕組みが研究も無しに生物の身体に備わっていることを知り、改めて自然の力の凄さを感じました。もちろんこれはあくまで一例に過ぎず他にもたくさん自然界の凄みはありますが、とにかく今日はこの「バショウカジキ」の凄さを伝えたかったのです。 私にとって生物分野は完全に専門外ですが、自分の専門に関わっていたりヒントになる事柄も多く存在するので、今回の「バショウカジキ」話をきっかけに少し生物についても興味を持ってみようかなと思いました。 それではさようなら。

[2010-10-13]

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