北浦和本校 からのお知らせ:
ことば
こんにちは。講師の真浦です。 うっとうしい梅雨もやっと折り返し地点。もう同じ「暑い」ならカラっと晴れてほしいですね。 ノーバス北浦和校では、気温に応じて適宜空調を付けています。 快適になるように設定しているつもりではありますが、教室の場所によっては冷風が直に当たり、逆に寒く感じるところもあります。 体調不良になるのを防ぐためにも上着を一枚持ってくるか、講師にその旨を伝えて下さると助かります。 さて、今日は意外と忘れがちだけど大切なことについて記事を書きます。 「ことば」の使い方です。 普段、私たちは自分の思っていることを全て口に出しているわけではありません。 暑い、眠い、楽しい、疲れた、嬉しい、おいしい…… 色んなことばを思うがままに話すのは赤ちゃんですよね。 人は大きくなればなるだけ、自分が口に出すことばに臆病になります。 心の中の100の気持ちからいくつかを選んで、声に出しているだけだということを皆さん意識していますか? 自分が伝えているつもりでも、上手く相手に伝わらないことが多い。 話したはずなのに、翌日相手は聞いていないという。 思いっきり気持ちをぶつけたはずなのに、あっさりと聞き流されてしまう。 こんな経験がある人、多いはずです。 都市社会学の分野では、現代は「儀礼的無関心」が暗黙の了解として共有されていると言われています。 赤の他人には無関心でいることが当たり前の社会。 気さくに話しかけてくるおばちゃんに、「なんで話しかけてくるんだろう」と思ってしまうあなたも、その一員です。 周囲の人との距離が遠くなってしまったことも、スムーズに意思を伝えることを邪魔しているかもしれません。 話を元に戻しまして。 僕はノーバスで週に何人もの生徒さんをみていますが、中でも人一倍、自分の気持ちを伝えるのが上手い女の子がいます。 ノーバスが大好きなのかもともと元気いっぱいなのか分かりませんが、常に自分の気持ちをぶつけてきます。 今日学校であったことやら、好きなアイドルの話やら、恋愛の悩みやら。 いつも表情豊かでトークが絶えませんが、この子から多くの気持ちを感じるのには、ある2つの特徴が影響しているかもしれません。 一つ目は、僕らの知らない人であっても、自分の友達を名前で呼ぶこと。 あだ名でも名字でも、周りの友達の話をするときにはとにかく名前を使って話をしてくれます。 「○○君がね…」「△がさぁ…」 その呼び方一つでも、聞き手には「あぁ、すごい仲いい関係なのね」「あんまり親しくないのかな」など、いろいろ伝わってきます。 二つ目は、ひたすら伝えて、ひたすらきいてくること。 自分の言いたいことは少しやかましくなっても伝えきって、ききたいことや相談したいことはどんどん質問してくれます。 僕は話を聞くのが好きなので、勉強を進めつつ、その子の話に耳を傾けます。 時には涙を流して悩みを打ち明けたり、面白がって僕の話を聞いてくれるその姿勢から、何を考えているかが伝わります。 確かに彼女は大人っぽくはないし、社会人になってもこういった性格を貫けるほど世の中は寛容ではないかもしれません。 ただ、大学四年生で来年就職を控える僕であっても、彼女が持ってる気持ちの伝え方は今からでも学ぶ価値があると思います。 言語は、時間的にも単語の微妙なニュアンスの違いをみても、意思を伝えるツールとしては効果が限られています。 人に言いたいことを伝えるための「ことば」には、口に出す言葉だけじゃなく、「伝えよう!」という気持ちが必要です。 言いたいことをいって満足する"Speak"になっていませんか? 大事な気持ちを伝える時も、ネットで検索した薄っぺらい言葉遣いで所詮"Talk"に終わっていませんか? 周りから見たらちょっと幼稚かもしれないけど、時には表情や態度を大袈裟にして、心を"Tell"することも必要ではないでしょうか? ただ思ったことを適当に声に出して笑い、叫ぶ赤ちゃん。 言葉なんかなくても、お母さんはなんとなく「お腹すいたのかな」「オムツかな」「おいしいんだな」って分かります。 そして、赤ちゃんが笑っていると、何言ってるか分からなくても、自然に周囲は笑顔になります。 彼らの方が、今の僕たちよりずっと「ことば」に達者なわけです笑 時には若返ることもいいかもしれませんね。その女の子と赤ちゃんに感謝感謝(゜-゜) ではまた。
[2011-06-28]