北浦和本校 からのお知らせ:
答え
こんにちは。講師の藤原です。 ここ二日間とても寒い日が続いていますね。体調には十分気をつけてください。 ところで、突然ですが皆さんの好きな科目は何でしょうか? また、その理由は何でしょうか? これはよくある質問だと思いますが、それに対する答えとして、 「好きな科目は数学です。それは、答えがはっきりと1つに定まるからです。」 などというものをよく聞きます。あるいは、逆に答えが1つに決まってしまうことが理由で数学が嫌いであるということもよく聞きます。 しかし、数学は決してそのような科目ではないと思います。確かに皆さんが日々の学習で経験している問題の多くは、上の理由に当てはまってしまうようなものですが、学年が上がるにつれて答えが1つではない問題が多くなってきます。高校生の中にはもうそれを実感している人がいるかもしれません。因みにこれは、「2次方程式では解が2つあるから答えが1つではない」という意味ではありません。2次方程式の場合、あくまで「2つの解がセットで一つの答えである」と考えれば、やはり他の数の組み合わせは解として認められず、答えがはっきりと1つに定まることになります。 では、数学において答えが1つに決まらないというのはどのようなことでしょうか。それは、高校数学に多い記述式の問題を解いているとよくわかると思います。ある問題を解くのにも、その解法が何通りもあるといったことがあります。記述式の問題の場合、解く過程を記述していき、それが採点されることになるので、解法の数だけ答えがあるとも考えられます。また、問題集等に付いている解答にも別解というものがありますよね。あれが正に「答えが1つでない」ということを示しています。もちろん別解で紹介されている以外にも解法がいくつもある場合もあり、その数だけ答えがあるということです。中学校数学においても、例えば証明問題では答えが1つでない場合があります。三角形の合同を証明するために違う考え方で複数通りのアプローチができた場合は、やはりそれらはそれぞれ違う答えというわけです。 このように数学にも答えが複数あり、さらにはその答えに人の個性が出たりすることもあります。だから「数学では答えが1つ」と勝手に決めつけず、別解があることの面白さを感じながら学習していくとよいと思います。ある解法で問題が解けたとしても、別解を知ることで視野が広がり、以降解く問題に活きます。また、自分が思いついた解法が模範解答には載っていないといったこともあるかと思いますが、それを間違えだと決めつけることはもったいないので、先生に聞いてみるとよいでしょう。もしかしたらそれがとても面白い答えかもしれません。 それではさようなら。
[2011-12-03]