公式サイト限定キャンペーン

松戸校 からのお知らせ:

授業中にたまにするお話 過去編

松戸校講師の芹川です。


今日は前に書いた「授業中にたまにするお話」の続きです。
この記事は、9月26日現在「松戸校の役に立ったページランキング」の第3位になっています。自分が書いたものに多くの人が興味を持ってくださり、嬉しいです。さて、今日はそのお話の過去編ということで、自分の得意科目である「生物」の歴史を交えて書きたいと思います。前回の内容と重複するところもあるのでもう一度「授業中にたまにするお話」を読み返すことをおすすめします。


----------------------------------


さて、メンデルから始まった遺伝学は長年の研究により、今日の遺伝子組換え技術まで発展しました。その是非はともかく、その発展の主役はまぎれもなく、生物の遺伝情報を担うDNA(デオキシリボ核酸)と呼ばれる物質にほかなりません。この内容は最近では中学生でも扱う内容です。

では、そのDNAはどのような「かたち」をしているのか。この答えは高校で扱う内容です。それはかつて科学者をはじめとする多くの人の関心を集め、しかし彼らの英知と膨大な時間を持ってしても答えを導きだすことは困難でした.


----------------------------------


「2重螺旋構造」

2つの相補なDNA鎖が互いに絡み合い、そして螺旋を描く。世紀の発見とも言われるその答えは2人の科学者によって導かれました。誰もがその発見の偉大さを認め(2人はノーベル賞を受賞しています)、それ以上に生物が持つ美しさに魅了されました。なぜ、その2人は多くの科学者が挑んでは破れていった難問を解き明かすことができたのか。他の多くの科学者が関心を持ちました。それは彼らの聡明な頭脳と洗練された実験手法によるところがもちろん大きいのですが、その1人曰く。

「実に簡単なこと。目、耳、手、足。生物にとって大切なものは2つあり。対をなしている」

過去の人の話なので本当に言ったかかどうかわかりませんが、しかし説得力のある言葉です。


----------------------------------


「考える力こそが勉強に大切な力だ」

このフレーズはだれもが聞いたことがあり、聞き飽きたことでしょう。確かにそのとおりなのでしょうが、考えることだけが勉強に必要なことなのでしょうか。その大切な物には対をなす相方はいないのでしょうか。


----------------------------------


私が思う「考える力」。
それは物事のひとつひとつの意味を理解し、それを並べ新たな発見に至る力です。帰納法とも呼ばれるその方法は、砂を少しずつ積み重ねて下から城を作る方法に似ています。

しかし、城を上から作る方法もあります。大雑把に目標に立て、後に修正を加えて達成する。この演繹法こそが考える力と対をなす、勉強に大切な力だと思います。それはどのような力か。砂が入ったバケツを引っくり返し、余計な部分を削り城を築く。このとき必要なことは細部にとらわれないことです。バケツをひっくり返す前にで門の形、城内の構造にこだわっていてはこの方法は使えません。それよりも、とにかく目標に向かって突き進むことが必要であり、ある意味「鈍い」ことが求められます。


----------------------------------


「考える力」がある人のことを「鋭い」と形容することがあります。しかし、勉強においてすべてを理解するには「鋭さ」だけではカバーできません。なぜならその「鋭さ」を超え、疑問点が出てきたときに立ち止まってしまうからです。そのような場合、多少の疑問点はおいて、とりあえず突き進むことも大事です。そしてそのとき、必要とされるのは「鋭さ」ではなく「鈍さ」です。


今まで,塾の講師として短いとは言えない時間を過ごしました。いわゆる勉強ができる人というのは「鋭さ」よりもむしろ良いい意味での「鈍さ」を持っていたように思います。逆に、勉強が苦手な人は物事を「鋭く」考えすぎてしまい、結果諦めてしまう傾向がありました。立派な城が築かれるのは「鋭さ」と「鈍さ」が互いに絡み合い、美しい螺旋を描くときだと思い、あの記事を書きました。


何かの参考になれば幸いです。

[2012-09-27]

松戸校からの重要なお知らせ

冬期講習(個別・集団)の受付を開始しました!