松戸校 からのお知らせ:
春!
こんにちは、講師の田窪です。
二十四節気の一つ啓蟄も過ぎ、一気に暖かくなりましたね。
調子に乗ってかなり冬物を洗ってしまったので、寒の戻りがないことを祈るばかりです…。まぁ暑さ寒さも彼岸まで、と言うのであと2週間くらいやり過ごせれば多分大丈夫だと思いますが(^_^;)
さて、今日は一枚の絵画をご紹介します。
タイトルは、そのものずばり「春(プリマヴェーラ)」!作者はボッティチェリ(1445-1510)です。有名な作品なので、資料集などで目にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
ぱっと見でもかなり華やかな絵ですが(40種類以上の草花が描きこまれています!)、描かれているものの意味がわかるとさらに楽しくなると思います。
この絵には、基本的にギリシャ神話を基にしたキャラクターたちが描かれています。
まず右端にいる青い男性は、西風の「ゼフュロス」。春を運ぶ神様です。
木々にまぎれて見えにくいですが、立派な翼をもっています。
そのゼフュロスが抱きつこうとしているのはニンフ(精霊)の「クロリス」。
嫌がっているようにも見えますが、クロリスはゼフュロスの愛を受け入れ結婚します。そして口からは花がこぼれおち、全身に花をまとった「フローラ」という花の女神に変身します。(ただ、クロリスとフローラの顔があまりにも違うため、同一人物には見えません。なので花々を身にまとった女性はフローラではなく、春そのものの擬人化である、とか花の都フィレンツェの擬人化である、という説もあります。)
そして中央の一段高い位置にいる女性。「マリア様?」と思った人もいるかもしれま
せんが、この絵はギリシャ神話が基になっているので、この女性はキリスト教の登場人物マリアではありません。
この女性は愛の女神「ヴィーナス」です。衣装を着て描かれるのは珍しいので、違和感があるかもしれませんね。
ヴィーナスの頭上では息子のキューピッドが目隠しをしたまま火のついた矢をつがえています。
キューピッドの矢が当たった人は強制的に恋に落ちてしまうので、目隠しをしたまま
撃ってほしくないものです…。
そしてキューピッドの矢の先にはダンスをしている3人の女性。
「三美神」と呼ばれ、「美」「純潔(貞潔)」「愛」を表します。
最後に左端にいる男性は、神の使いである「ヘルメス」。
ヘルメスは、旅人・泥棒・商業・羊飼いの守護神であり、韋駄天の脚を持つため、天
界と地上を行き来する神々の伝令役を担うと言われています。
ファイナルファンタジーというRPGで、「エルメスの靴」を装備すると素早さが上
がりますが、この足の速い神様の靴を履いたからです。
FFの装備品には結構ギリシャ神話を基にしたものがあるので、調べてみると面白いと思います(^-^)
このように、一枚の絵を見るだけでも、知識がないとわからないことがたくさんあり
ます。
もちろん、同時代人で作者本人でもないので今でも完全には解明できない絵画の謎もたくさんあります。
ですが、絵をじっくり見てみたり、衣装や神話に興味を持って調べてみると楽しいで
すよ!世界史にも詳しくなれます。
個人的には中野京子さんの本がお勧めです。
最後に、春に関しての雑学をもう一つ。
4月1日はエイプリルフールで「嘘をついても良い日」と言われていますが(起源は不明)、嘘をついていいのはこの日の正午までです!
基本的にはこの日は「だまされた方が馬鹿」と言われますが、正午を過ぎて嘘をついたら「嘘を言った方が馬鹿」と言われてしまうので、気を付けてくださいね!(^^)!
あと、人を傷つけるような嘘はくれぐれも付かないように!
[2013-03-10]