松戸校 からのお知らせ:
高校物理を微積を使って見てみよう
こんにちは。松戸校教務の田村です。
本日は物理と微積分の関係について少し触れたいと思います。
高校物理の範囲では微積分を使わないことになっているので公式だけを与えられて納得のいかない生徒も多いと思います。
しかし、高校生レベルの微積分と物理の知識から繋がりが見えるので少し頭に入れておくだけでも理解しやすくなるかもしれません。
まずは位置、速度、加速度の関係から。
・速度とは単位時間当たりの物体の位置の変化量
・加速度とは単位時間当たりの物体の速度の変化量
例えば、10秒間に100m動いた時10秒間の平均の速度は秒速10mとなりますね。
しかしこれはあくまで10秒間の平均の速度であり、速度は当然一定ではないのです。
この秒数を5秒間の平均→1秒間→・・・とどんどん短くしていくとその瞬間の速度が分かることになります。
これが速度の定義である単位時間当たりの位置の変化量の意味であるわけですね。
加速度についても同じことが言えます。
よって速度、加速度を求めるためにそれぞれ位置、速度を時間微分すれば単位時間当たりで求まります。
時間微分とは時間を微小な範囲に区切っていくということです。
式で表すと
速度v=dx/dt、加速度a=dv/dt=d^2x/dt^2
二階微分までいくと数Ⅲの範囲なので単に2回微分したものだと考えてもらって大丈夫です。
このままでは位置xが分からないと速度、加速度が求められないようにみえますね。
ですが加速度は運動方程式ma=Fから求まるので、加速度から位置を求める式まで出せるのです。
位置→速度→加速度を微分で求めるということは加速度→速度→位置は時間で積分していけば求まるということです。
式で表すと
速度v=∫a dt=at+v0(v0は積分定数でt=0の時の初期速度)
位置x=∫v dt=∫(at+v0)dt=1/2at^2+ v0t + x0(x0は初期条件)
お馴染みの式が出てきましたね。
結局上のことを理解出来ていれば運動方程式から関係式がすぐに導けるのです。
これは運動量、力積、エネルギー保存則についても同様なのですがそれはまた後日。
[2015-10-17]