武蔵浦和校 からのお知らせ:
神奈川県神田高校の事件について思うこと
皆さんも新聞などでご存知の方も多いと思いますが、先日神奈川県立神田高校の入試で「態度や身なり等が悪い」といった理由で受験生を不合格にしていた事件が発覚して、校長先生が解雇されるという事件がありました。この記事を読んで私は非常に大きな衝撃を受けました。このような(私にとって)当たり前のことをした校長が解雇され、それをただ単に事実のみを述べる報道姿勢に対してただびっくりしたのです。 高校は義務教育ではありません。入試には学力試験や内申書だけでなく面接も含まれているはずです。生徒の合否に関しては、県の中での一定の基準はあるにせよ高校側にその裁量はあるはずです。受験当日に化粧をしているような不謹慎な生徒を合格にさせてしまう方こそ問題があります。良い高校作りをしようとするには、当然入り口のところで選別(良い生徒を合格させるというのではなく、極端に不謹慎・非常識な人を省くという意味)しなければいけません。クラスに10人そういう生徒が集まったら、どんなに指導力のある教師が就いてもその学級は崩壊してしまうのです。一方真面目にコツコツがんばってきても学力の低い生徒もいます。経済的な理由で公立高校しか受験できない生徒だっています。そういった生徒が、このような不謹慎な生徒のためにもし落ちてしまったというのならそれこそ大問題です。もっともそのようなレベルの高校なので、定員割れしていて通常は全員が入れるのかもしれないが・・・。 ただ高校側も実際の事実はわかりませんが、このようなデリケートな問題は試験管1人によって合否を決めるのではなく、複数の教員で協議した結果合否を決めなければいけないと思います。また見た目だけで決めるのではなく、面接等でそれについて質問をして、その受け答えを見るなどのことは最低行って欲しいと思います。そうでないと生まれつき茶髪の生徒を間違って不合格にしてしまうといったことだってあり得るからです。 私どもの塾では、毎年冬休みになると受験生1人1人に面接の練習を行っています。真剣さの足りない生徒には厳しく接しています。そしてこちらが納得するまで何度でもやらせます。そして生徒には「面接のときだけ真面目にしていても大人がみればすぐ分かるんだよ。そして受験当日は、試験のときだけでなく行き帰りや休み時間など全てに気を抜いてはいけないよ。」とアドバイスしています。しかし今回の事件で私の話していることに説得力がなくなってしまいました。もちろん、私自身はこれからも同じ姿勢で生徒に接していくつもりではあります。 昨今の大分県での裏口入学もそうですが、現場に責任をなすりつけるのではなく、教育委員会という大元から改革していかない限り、日本の教育は良くならないでしょう。今後この一件がマスコミでも話題に上り、論戦を交え少しでも良い方へと向かって欲しいと願っています。そして、私どもも非常に微力ではありますが、教育の質の向上へと力になっていきたいと思っています。 小林
[2008-10-31]