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記憶の定着、意欲向上。「ツァイガルニク効果」で、勉強効率アップ!



明けましておめでとうございます。ノーバス専任講師の笠木です。

みなさんは、集中力に自信はありますか?「今日はたくさん勉強するぞ」と意気込んでいても、ほんの数分で手が止まってしまったり、つい勉強とは関係のないことを考えてしまったりすることがある方も多いのではないでしょうか。今回は集中力を持続させるためのコツとして「ツァイガルニク効果」というものをご紹介します。

集中力は続かなくて当たり前
人間の集中力の限界をご存知ですか?なんと8秒なんです。嘘のような数字ですが、米マイクロソフト社が約2000人の脳波などを測定して導き出し、実際に発表したれっきとした研究結果なのです。
また、東京大学薬学部の池谷裕二教授が株式会社ベネッセコーポレーション協力のもと行った実験結果によると、中学生の集中力は勉強開始から40分後に急激に低下するのだそうです。実験によって差はありますが、どちらにせよ人間の集中力はそう長く続かないことが科学的に立証されているのです。集中力を持続させるためには相応の工夫が必要ということですね。

ツァイガルニク効果とは
ツァイガルニク効果とは、「達成できた物事」よりも「達成できなかった物事」や「中断している物事」の方が印象に残りやすいという心理現象のことです。
ベルリン大学の心理学者クルト・レヴィンと、当時留学生だったブルーマ・ツァイガルニクの行った実験によると、被験者に連続して複数の作業を与え、定期的に作業の邪魔したところ、作業終了後には邪魔が入って完成させられなかった作業の方が印象に残っていたのだそう。つまり、中断された作業の方が記憶に留まりやすいのです。
たとえば、連続ドラマは視聴者に「この後どうなってしまうんだろう」と思わせるような決定的な出来事が起きた瞬間に一話が終わることが多いですよね。これはツァイガルニク効果を利用したものです。同様に、バラエティ番組の一番盛り上がるところでCMが入るのもこの効果を利用しています。
成就した恋愛よりも片思いで終わった経験の方がいつまでも忘れられなかったり、徒競走で1位になれたことよりも1位になれなかった記憶を何年も引きずってしまったりといった現象も、ツァイガルニク効果によるものです。どのような効果であるか、なんとなくイメージできたでしょうか。

ツァイガルニク効果を利用した勉強法
ツァイガルニク効果を利用した勉強法はいたって単純です。それは「中途半端なところで休憩を入れる」というもの。
勉強の合間に休憩をとる場合、多くの方が「この章が終わったら」「このページが終わったら」とキリの良いところまで終わらせてから勉強を中断していることと思います。この「キリの良いところまで終わらせる」のをやめて、中途半端なところで休憩を挟むようにしてみましょう。
キリの悪いところで終わらせることにより、「あと少しで終わらせることができるのに」とモヤモヤし、再び開始するための意欲が沸きます。休憩後に新たな単元を始めるよりも取り掛かりやすいですよね。またその際、「この単元はまだ終了していないため、忘れてはならない」と脳が認識するため、学習したことも記憶に残りやすくなるのです。

勉強を中断したときの過ごし方
では、勉強を中断したときは何をして過ごせばいいでしょうか。
スマホやゲームに手を伸ばしたくなってしまう気持ちは分かりますが、ついつい長々と遊んでしまい。必要以上に休憩時間を延ばしてしまいがち。そのため、ベストな休憩方法とは言えません。
おすすめは「歩き回る」こと。コロラド大学アンシュルツ医学センターと、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)ヒューマン・パフォーマンス研究所などが共同で行った研究によると、1時間に5分程立って歩き回ることによって頭が軽くなり、やる気を持続しやすくなることがわかっています。家で勉強している場合は少しだけ外に出てみたり、図書館で勉強しているときには少し遠くの自動販売機まで歩いてみたり、小刻みに「歩き回る」休憩を挟んでみてください。脳をリフレッシュさせることができますし、血流も良くなり、やる気がみなぎってくるでしょう。

集中力は持続しないもの。持続させるには工夫が必要です。中途半端なところでお散歩休憩を挟む「ツァイガルニク効果」を利用して効率よく勉強してくださいね。


[2021-01-20]

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