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今「学問の神様」の検索数が増えているらしいですよ

講師の黒須です。
ここ数日、某アイドルグループのメンバーが、東京から福岡に「左遷」されたという話題で、Yahooニュースが持ちきりになっていますね。実は歴史上でも、このニュースと同じようなことが起きていたのをご存じでしょうか。
今から1000年以上前の平安時代、菅原道真という有能な政治家がいました。代々学者の家系で、幼いころから非常に頭がよく、若くして今でいう国家公務員試験(某アイドルグループならばオーディションですかね)に合格します。その後は破竹の勢いで出世(この辺も渦中の人ににていますね笑)し、ついには右大臣にまで登りつめます。しかし、この出世に妬んだ藤原氏によって、あることないこと色々書かれ…もとい、言われて、ついには福岡の大宰府という行政機関に左遷されてしまいます。この時に道真が大宰府で京都の邸宅の庭の梅を思い詠んだ歌が有名なのでご紹介しましょう。

― 東風(こち)吹かば 匂いおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ
(訳:春になって東の風が吹いたなら、その香りを遠い大宰府まで運んでおくれ。主人である私がいなくなったからといって、春を忘れてはいけないよ)

受験生にとっては「春な忘れそ」の「な…そ」で「…するな」という禁止の意味になる、という文法事項が重要なのでしょうが、今回はまあいいでしょう。さて、こんな感動的な歌を詠まれて、梅の木もじっとしていられるはずがありません。なんと一晩にしてその梅の木は空を飛び、主人のいる大宰府までやってきたそうです(!!)。これが有名な「飛び梅」伝説で、今でも太宰府天満宮に行くと、その梅を見ることができます。
ちなみに、中学社会では「894年、菅原道真の提案により、遣唐使が廃止される」と習いましたよね。これにより、中国の文化が日本に入ってこなくなり、日本独自の文化(「国風文化」)が栄えることになります。しかし、受験生にとって道真は、「白紙(894)に戻す遣唐使」よりも、ある意味重要な人物なのです。なぜなら、道真は「学問の神様」として祀られているからです。全国にある「○○天神」(東京の湯島天神など)や「○○天満宮」(前述の太宰府天満宮や京都の北野天満宮など)という名称の神社には道真が祀られているので、来年の初詣にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

※ 私は某アイドルグループのファンではありませんし、某メンバー「推し」でもありませんのであしからず。



[2012-06-18]