与野本町校 からのお知らせ:
歴史を学ぼう!!
こんにちは、講師の松林です。いよいよ暑くなってきました。埼玉の夏は堪えます。
私は社会(特に日本史)を専門に学んでいますので、それにまつわるお話をさせていただきたいと思います。
歴史というと、中学生高校生の皆さんは「ああ、あの暗記するダルいやつか」「過去を知ってどうすんの」と思う方も多いのではないかと思います。
実際、あれだけの事柄を暗記するだけであれば私にとっても苦痛なことです。
しかし、歴史の本当の面白さは暗記にあるのではありません(暗記が好きな人は別ですが)。歴史を「自分で」捉えることにその魅力があるのです。
たとえば、皆さんは「鎌倉幕府」は「何時成立した」と思いますか?「いい国作ろう」がもう古い説だということは知っている方もいるかもしれません。
ではそもそもなぜ「1192(いい国)」といわれていたのでしょうか?
実は1192年は源頼朝が征夷大将軍という役職についた年、というだけの話なのです。
後にこの役職に魅力を感じた人たちが、「征夷大将軍とは権力の象徴だからこの年が幕府の始まりだ」と決めたのです。
だから近年、「頼朝が全国の警察権を握った1185年だ!」「いや、頼朝が関東地方に権力を持つようになった1180~82年の間だ!」
「いや、天皇より立場を強くした承久の乱以降だ!」「それでも1192年だ!」などと様々な説が飛び交っています。
しかしながら、結局「鎌倉<幕府>とはいったい何なのか」という定義があいまいなので、答えが出せていない(これからも出せない?)状況なのです。
だからこそ、皆さん自身が「鎌倉幕府とは何か」を考え、皆さん自身の「鎌倉幕府の成立」を決めるチャンスでもあるのです。
(もしかしたら、皆さんが考えた説が本当になるかもしれませんよ)
歴史には、このような議論がたくさんなされています。皆さんも「暗記」だけでなく「考える」力を歴史を通して学んで欲しいと思います。
このような話に興味がある人は、ぜひ私に聞いてください!お待ちしております。
[2012-07-17]