与野本町校 からのお知らせ:
市立浦和中・伊奈学園など公立中高一貫学校の受験を考えている方へ
こんにちは。ノーバスの高木です。
この時期は、小学生の保護者の方から中学校受験に関するご相談を受ける機会が増えてきました。とりわけ、公立高校の埼玉附属中学校、さいたま市立浦和中学校、大宮西中学校、伊奈学園中学校の受験に関するご相談が多いです。
埼玉県内の学校で公立中学校受験と言えば、一昔前であれば埼玉大学附属中学校だけでした。
しかし、近年になって附属高校のない埼玉大附属中学校よりも附属高校があり、また進学実績が良い市立浦和中学校と伊奈学園中学校の人気が高くなって来ました。
また、2019年度からはさいたま市立中等教育学校(旧大宮西高校)の募集が開始します。
公立の中高一貫校の選択肢も増えましたし、私立の中高一貫校に比べて学費も安い分、受験を検討しやすい側面もあります。そのため、受験を考えるご家庭も多いと思われます。では、公立の中高一貫校への合格を目指すために必要なことは何でしょう?
○子どもが自ら受験をしたいと思うこと
これは公立の中高一貫校受験だけに限ったことではなく、中学校受験すべてにおいて最も大事な条件です。
お子さんが自ら○○中学校で勉強したい!という意思がないと受験は上手くいきません。
保護者の方の気持ちだけがいくら昂ぶっていても、お子さんが白けていたり、「仲のいい友達と近所の近くの中学に行きたい」と望んだりしていては、受験勉強に向かわせることはできません。
ですからまず受験をする前に、お子さんと十分にコミュニケーションをとって下さい。
もちろん親御さんが何も促さなくてもお子さんが受験したいと主体的であれば問題はないのですが、受験に対して消極的な場合は、親御さんがお子さんを受験したいと思わせるように仕向けることから始めないといけません。
例えば中学校の文化祭などの学校イベントに親子で足を運んでみるのも一つの手です。
○学力面の条件は?
受験で学力を計る指標は「偏差値」ですが、公立中学校の場合は「首都圏模試」や「四谷大塚模試」の偏差値はあまり参考になりません。
私立中学校受験の場合、暗記一辺倒の対策、いわゆる「詰め込み型」の学習でも合格できる学校はかなりの数あります。
「知識」さえあれば解けてしまう問題が毎年一定の割合で出題され、算数も「解法パターン」さえ覚えていればできてしまう問題ばかりという私立中学校も少なくありません。
もちろん、高度な思考力を要求される問題が出題されないことはないですが、それが解けるか解けないかが合否の分かれ目になる中学校というのは一握りに過ぎないのです。
一方、公立の中高一貫校受験で求められる学力は、私立中学校がもとめるものと少し違います。以下に出題傾向を記します。
・理数系の科目は解法パターンが定まった問題の出題が私立に比べて少ないですが、難関私立が出題するような高度な発想力や計算力を必要とする問題はほとんど出題されていません。
・記述問題がとにかく多く、知識だけを書いて得点できる問題がほとんど出題されていません。
・必要な知識は小学校の教科書レベルから大きく逸脱していません。基本的な知識を使って「分析」し、分析した結果を採点官にきちんと伝える「記述力」が合否の決め手になります。
以上を踏まえると、
①基本的な最低限の知識
②それを使って「思考」し「分析」することができる力
③第三者にわかりやすい言葉で伝える記述力
が公立の中高一貫校合格に必要な学力になります。
また、ほとんどの公立中高一貫校は2次試験として面接が課され、その配点が高く、面接が上手くいって逆転合格したというケースや、筆記は手ごたえがよかったものの面接で逆転されたというケースは少なくありません。
ですから、良い意味で大人びた子や誰とでも堂々と(ただし礼儀正しく)話しできる子にとっては有利に働きます。
○受験の準備はいつから始めればいいのか?
これもよくご相談されることなのですが、早すぎるに越したことはありません。
しかし「小学校6年生の今からでは(例えば受験まで半年を切っていても)絶対無理ですか?」と言われると、無理ということはありません(挑戦できるところまでお子さんを導くことはできます)。
現状でしっかりした記述力があれば可能性はあります(しっかりした記述力とは、正しい日本語が運用できていて、何を伝えるにしても客観的な根拠を示せ、主観的になっていない文章が書ける力のことです)。
「知識」は時間さえかければ覚えることができますし、「思考力」「分析力」も解説を聞き、また問題慣れすることで比較的速く向上させることができます。
最も養成に時間と手間がかかるのが記述力なのです。また最も独学で養成しにくいのも記述力なのです。
書いてもらった文章に朱を入れてもらい、なぜ「これだと上手く伝わらないのか」ということを指摘され、それを訂正していきます。
この作業を何度も何度も繰り返しながら記述力というのは向上していきます。
例外的に普段から読書をよくする子(1週間に1冊以上の読書週間のある子)は、記述力の向上が速いです。
普段から正しい上手な日本語の文章を浴びていて、自分が書いた文章を読み直したときに「違和」を感じやすいため、文章の自己修正できるからです。
読書週間のあまりない子で公立中高一貫校を目指すのであれば、できれば遅くても5年生になるまでに受験準備を開始したいですね。
○記述力は一生役に立つ力
公立中受験で最も得点に直結する記述力ですが、これは一生役に立つ力です。
第1に勉強や受験で役に立ちます。
中学校で学習する「証明」という単元は、記述力がなければ点数を貰える答案がかけません。
また大学受験まで目を向けると世間一般的に一流と言われ大学のほとんどが(国立大学であれば全てが)記述問題しか出題されません。
答えが正解していても、それを導くプロセスが説明できていないと点数がもらえないのです。
いくら計算力と思考力があっても記述力がないと1点ももらえないのです。
第2に社会人になったときに役立ちます。
仕事をするとき、物事の多くは文書によって提案し、決定が下されます。
いくら優れたアイディアがあり、口でそれを伝えることができても文章の形にできなければ実現することができなくなり、成功のチャンスを失うことになってしまいます。
受験はどれだけ高い偏差値をとったとしても100%合格が保証されるものではありません。
特に公立中高一貫校は近年知名度も高まって倍率が高騰しています。
しかし、「合格したい」という気持ちがあるのなら、倍率や可能性を気にせず挑戦して欲しいと思います。
弛まぬ努力を続ければ合格の可能性は自然と高まってきますし、目先の受験だけではなく、生涯にわたって活躍するための武器を人生の早い段階で手に入れるチャンスにもなるのです。
受験に関するご相談は随時受け付けております。ご相談がありましたらお問い合わせください。
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塾長 高木
[2017-07-27]